初代リッチキングを包む、巨大な氷塊がベースとなるオブジェクトです。

悪魔に背いたオークのネルズールが、肉体を裂かれて魂だけにされて、リッチキングとなることを強要された際に、悪魔が拘束のためにネルズールを封入した氷塊です。

そのとてつもなく巨大な氷の塊は、内からも外からも容易に砕くことができず、ネルズールは魂でありながら、さまようことすら許されませんでした。

リッチキングとしてのネルズールは、アゼロス大陸におけるスコージ軍を拡大させることを命じられていたために、氷漬けの拘束状態のまま、そのアゼロス大陸までワープ移送させられました。

場所は、氷塊が解けることがない、アゼロス最北の極寒の地ノースレンドです。

ノースレンドの雪山地方へ、乱雑に捨て落とされるようにネルズールが強制移送させられたために、ネルズールを覆う氷塊はあちこちが削られ、氷の玉座のような様相を呈しました。

そしてそれは、いつしか凍てつく玉座――フローズン・スローン（Frozen Throne）――と呼ばれるようになりました。

ネルズールは、ノースレンドへ落下させられた際に何度も精神をかき乱されたので、悪魔に対する憎悪を急激に増すと共に、この凍てつく玉座から脱出するための手段を考え始めました。

やがて、ネルズールが己の肉体とするべく操ったアーサス王子と対面すると、ネルズールはアーサスに凍てつく玉座を打ち砕かせて、アーサスと同化することを果たしました。

二代目リッチキングとなったアーサスは、このときに砕け散った氷塊を実際の玉座に加工して、そこに鎮座するようになりました。

凍てつく玉座（Frozen Throne）という名前は、「Warcraft 3」の拡張セット「The Frozen Throne」でもタイトルとして用いられたように、リッチキングの居場所を示す象徴的なワードとして認識されるようになりました。

ハースストーンの拡張セット「凍てつく玉座の騎士団（Knights of the Frozen Throne）」も、凍てつく玉座を拠点とするリッチキングの存在をすぐに連想させるタイトルです。

「World of Warcraft」において、プレイヤーたちから主にICC（Icecrown Citadel）と略称された、10人または25人グループ向けの大型ダンジョンです。

拡張セット「Wrath of the Lich King」の最後を飾るコンテンツとして導入され、同セットを象徴するキャラクターのリッチキングを最終ボスとして擁するエリアです。

原作の物語におけるアイスクラウン城砦は、リッチキングとその側近たちが拠点としている要塞です。

アゼロスの最北に位置するノースレンドの、アイスクラウン地方に築かれています。

アイスクラウン地方は、もともとノースレンドにおける名もなき雪山地帯でした。

あるときネルズールがリッチキングとして、その雪山地方に移送された際に、ネルズールを覆っていた氷塊が「凍てつく玉座」と名付けられたことから、同じく王を連想させる「アイスクラウン（氷の王冠）」という地方名が誕生したのだと言われています。

アーサス王子と同化して自由を得たリッチキングは、魔鉱石サロナイト――旧神ヨグ＝サロンの血液の結晶体――を全面的な資材としたアイスクラウン城砦を、スコージ軍の本拠地としてアイスクラウンの南部に建設しました。

そこではリッチキングが鎮座する凍てつく玉座が頂上に据えられていて、リッチキングの信頼に足るスコージ軍の重鎮や幹部の棲み家が内部で点在しています。

アイスクラウン城砦の攻略は、物語ではアゼロス史上最難関の挑戦とされていて、侵入者はもれなくスコージやデスナイトにされてリッチキングの配下となることが常でした。

「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」の末期に導入された、大型ダンジョンとしてのアイスクラウン城砦も、同拡張セットにおける最難関のダンジョンとして登場し、その上級者向けのヒロイック・モードはプレイヤーたちを何度も全滅に陥らせました。

大型ダンジョンのアイスクラウン城砦は、数週間ごとに段階的に開放された4つのエリアに分かれていて、リッチキングを含めた合計12のボス・エンカウンターが用意されました。

その中で以下の7体のボスたちは、ハースストーンの「凍てつく玉座の騎士団」のアドベンチャー・モードで登場することが公表されています。