チャット・ウィンドウに特定の書式のテキスト構文を入力することで、様々な操作を行える。
例えば/use Hearthstoneと入力すれば、アイテムのHearthstoneの使用を実行させる。
このような実行命令は「スラッシュ・コマンド」、あるいは単純に「コマンド」と呼ばれる。
コマンドを入力する際には、わざわざEnterキーを押してチャット・ウィンドウを開かなくてもよい。
スラッシュ「/」キーを押せば自動でチャットが開いて「/」がその先頭に入力される。
コマンドは複数を同時に下すこともできる。
/use Hearthstone
とすれば、「See you!」と発言しながら同時にHearthstoneの使用を実行させる。
複数のコマンドをひとまとめにした命令は「マクロ」と呼ばれる。
コマンドやマクロは、マクロ・パネルに登録できる。
138種類(アカウント共有120種+キャラクター個別18種)まで登録可能であり、登録後はスキルバーに設置して1ボタンで繰り返し使用できるようになる。
マクロ・パネルには「Game Menu」→「Macros」よりアクセスする。
「New」ボタンを押して、マクロのタイトルを入力してアイコンを選択すれば、新規に作成される。
テキスト・ウィンドウにコマンドを入力して「Save」ボタンで登録し、そのマクロのアイコンをスキルバーまでドラッグして設置すれば使用できるようになる。
とにかく最初に覚えておくべきコマンドは/mだ。
「Game Menu」を介さずにマクロ・パネルを直接呼び出せる。
「Game Menu」を経由すると、他に開いているパネルが全て閉じてしまう面倒もある。
「/」「m」「Enter」と右手でたった3つのキーを入力するだけでマクロの編集を開始できることは知っておいた方がよい。
もちろん、/mという内容のマクロを作成してスキルバーに設置し、それを押すことにしてもよい。
その他のインターフェースも、以下のコマンドによって直接呼び出せる。
Raid Finder … /rf
Guild Finder … /gf
Achievements … /ach
Calendar … /calendar
Loot History … /loot
Stopwatch … /sw
Saved Instances Info … /raidinfo
これはFPSカウンターの表示場所を動かすマクロだ。
末尾の2つの数字を任意の値にすることで、表示位置の横方向と縦方向の座標を変更できる。
このマクロ自体がFPSカウンターの表示と非表示の実行も兼ねる。
週に一度のお楽しみであるWeekly Vaultの達成状況を表示する。
このコマンドで表示させたパネルからはVaultの報酬を得ることはできない。
冒頭でも例として挙げたとおりに/use アイテム名とコマンドを発令すれば、そのアイテムを使用させる。
/cast スペル名と発令すれば、そのスペルをCastさせる。
WoWのマクロで最も用いられるコマンドだ。
マクロ・パネルにアイテム名やスペル名を入力する際には、マクロのテキストの編集中に、アイテムおよびスペルを「Shift+左クリック」すれば名前が正確に貼り付けられる。
このコマンドを利用できる対象は幅広い。
アイテムやスペルだけでなく、コレクションとして所有しているToyのやMountなども実行できる。
アイテムやスペルが他のアイテムをターゲットにする場合も、そのターゲットをさらに/useで指定することもできる。
/use Peacebloom
のマクロを作成すれば、MillingでPeacebloomを砕く行為を1ボタンで遂行できる。
GCDがないスキルやアイテムは、1つのマクロに複数の/useコマンドを登録して、それらを1ボタンで一斉に発動できる。
Shadowlands世代のFrost Death Knightの実戦マクロを例に挙げる。
/use Inscrutable Quantum Device
/use [group:raid] Potion of Spectral Strength
/cast Pillar of Frost
/cast Empower Rune Weapon
/cast Raise Dead
/cast [talent:7/3] !Breath of Sindragosa
/cast [@player] Death’s Due
赤字で示した、装備中のTrinket、STRポーション、CDスキル4種は、いずれもGCDがないアイテムとスペルである。
ここで唯一のGCDを有するDeath’s Dueを最後に発動するまで、1ボタンでそれらを一斉に使用してバースト用の強化能力を集中させることができる。
なお、現在は/useと/castのコマンドは統合され、アイテムとスペルはそのどちらのコマンドでも機能する。
マクロを作成する際には、ゲーム内で用いられている全種類のアイコンの中から一つを表示用に指定する必要がある。
最初は2千にも満たなかったアイコンの選択肢は、いまや10倍以上の2万を超す種類まで膨れ上がった。
マクロを作成する際には「LargerMacroIconSelection」のAddonを導入しておくことを推奨する。
その大量にあるアイコンの選択ウィンドウを拡大し、アイコンを探しやすくする。
/lmis 20 15のコマンドによって選択ウィンドウの大きさを変更できる。
「20 15」の数字ならば横に20個、縦に15個のアイコンが表示される大きさになる。
下部のテキスト・ボックスからアイコンの検索と抽出もできるようになる。
検索用のテキストやIDナンバーはWowheadで表示されている各アイコンをクリックすれば参照できる。
アイテムやスペルを発動するマクロならば、一番初めのアイコンの選択肢である「?」を選んでもよい。
マクロ内で最初に参照するアイテムまたはスペルのアイコンを自動でコピーする、可変アイコンだ。
この可変アイコンは、実物のアイコンで起こるCooldownやハイライトなどによる色の変化も反映する。
「?」のアイコンを選んだ上で、マクロの1行目に#showtooltip アイテムまたはスペル名と記載すれば、そのアイテムまたはスペルのアイコンに成り変わる。