(Thoras Trollbane)
ニ番目にデスナイトの四騎士に任命されたトーラス・トロルベインは、生前はストロムガード(Stromgarde)帝国の国王でした。
ストームウィンドがホード軍のオークによって壊滅的な打撃を受けた直後に、ホードに反抗するべくアライアンス連合軍がローデロン帝国で結成されたときに、ストロムガードはアライアンス七大王国の一つとして参加しました。
ホード軍とアライアンス連合軍が激突した、いわゆる第二次大戦において、ストロムガードの管轄内にある島の要塞トル・バラドが陥落しました。
トル・バラドを足がかりにしたホード軍によって、その付近に位置するストロムガード帝国は攻め落とされてしまいました。
ストロムガードの首都は廃墟と化して、オーガやトロルの棲み家となりました。
残されたストロムガードの勢力は、付近のアラシ(Arathi)地方の高原において砦を点在させたものの、その規模は年を追うごとに縮小されていきました。
アライアンス連合が第二次大戦で勝利した後に、憎きホード軍のオークの捕虜たちを処刑しないことに対して、トーラス・トロルベインは不満を大きくぶちまけました。
また、大勢のオークの捕虜を収容する施設の維持のために、アライアンスに属する国々の税金が全体的に高騰するようになったため、アライアンス連合から王国が離脱し始めていました。
ローデロン帝国のテレナス国王――アーサス王子の父――が、それでもオークたちの処刑を拒否する姿勢を表明すると、トーラス・トロルベインもまた、アライアンス連合と袂(たもと)を分かつに至るのでした。
その後にしばらくして、トーラス・トロルベインは、実の息子のガレン・トロルベイン(Galen Trollbane)によって暗殺されます。
トーラスの唯一の子息であったのストロムガード王子のガレンは、単に身勝手に、早く国王になりたいという理由によって父を亡き者にしたのです。
この愚かな息子は、もちろん国王を受け継いだのですが、首都の奪還に挑むもオーガたちにあっさり敗れて戦死し、アンデッドになると今度はアライアンス陣営や自国の民を襲う存在になりました。
リッチキングとなったボルヴァー・フォードラゴンによって蘇生されたトーラス・トロルベインは、ガレンの末路を伝えられると、「私は国王としても父親としても失敗したようだ」と嘆きました。
四騎士に任命されるほどのトーラスは、実際に戦士としての腕前だけならばローサー卿をも凌ぐと評された、アライアンス陣営内にける最高峰の豪傑であったようです。
武骨で口数少なく、声はしゃがれていましたが、鋭い感性の持ち主であり、たまに語る言葉は常に真実を言い当てていました。
「凍てつく玉座の騎士団」のレジェンド
<目次>
中立 | ダークフォールンとブラッドプリンス評議会 |
ケレセス公爵 | |
タルダラム公爵 | |
ヴァラナール公爵 | |
中立 | アーファス |
ドルイド | ハドロノックス |
ハンター | ピュートリサイド教授 |
メイジ | シンドラゴサ ―― マリゴスに寵愛された青竜と死竜の女王 |
パラディン | ボルヴァー・フォードラゴン ―― 不屈と犠牲の精神で身を捧げた黒変の聖騎士 |
ボルヴァー・ドラゴンフレイム | |
プリースト | ベネディクトゥス大司教 |
ローグ | リリアン・ヴォス |
シャーマン | ムウラビ |
ウォーロック | ブラッドクイーン・ラナセル |
ウォリアー | ドグサレガオ |
中立 | リッチキング ―― 氷牢より腐敗を司る死霊の総帥 |
アーサス・メネシル ―― 暗黒騎士の王へいざなわれた聖騎士の王子 | |
特別編 | エボンブレードの騎士団 |
デスロード・ナズグリム | |
トーラス・トロルベイン | |
審問官ホワイトメイン | |
ダリオン・モグレイン ―― 死をも厭わぬ大胆不敵の聖剣の担い手 |