スコージとしてリッチキングに仕えるデスナイト軍の、とある一部隊は、スコージに敵対するスカーレット・クルセイドを壊滅するように命じられ、ローデロン地方へ派遣されました。

アケラス（Acherus）と呼ばれる浮遊要塞を基地としたその部隊は、魔剣と化した聖剣アッシュブリンガー（Ashbringer）を携えるダリオン・モグレイン（Darion Mograine）を部隊長に据えて、1万を超える規模のスコージの兵を擁して進軍しました。

それに直面したライトの守護者の軍勢は、わずか300人程度の規模であったため、交戦する前から守護者たちの命運が尽きたかに思われました。

しかしながら、スコージの大軍が全力で攻め込んでも、規模が1割にも満たないライトの守護者たちの防衛を崩せませんでした。

アライアンスが誇る最高指揮官の聖騎士である、ティリオン・フォードリングが立ちはだかっていたからです。

強度も統率も十分であるとはいえないスコージの大軍は、ティリオンにとっては数が多いだけの烏合の衆に過ぎず、彼の聖なる力によって跳ね返されて、徐々に劣勢となりました。

以前にシルバーハンドの聖騎士団に属していたスコージ軍のダリオン・モグレインとデスナイトたちに対して、現在の聖騎士団長であるティリオンが一喝すると、彼らは畏怖して降伏せざるを得ませんでした。

無残に敗れたデスナイトの部隊を嘲笑（ちょうしょう）しながら現れたリッチキングは、彼らを派遣した本当の目的はそのティリオンをおびき寄せるためであったことを明かし、ふがいなく犠牲を出しながらも目的を達成したと、侮辱するようにモグレインの部隊を称賛しました。

多数の同胞を失ったばかりである部隊長のモグレインは、犠牲を前提とする捨て駒にされたことを知って大いに怒り、謀反（むほん）を起こして主のリッチキングに魔剣アッシュブリンガーで斬りつけましたが、リッチキングは彼を軽くあしらい退けました。

リッチキングが、念願であったティリオン・フォードリングの抹殺に手をかけようとしたその時、倒れていたモグレインは、魔剣アッシュブリンガーをティリオンに放り投げて渡しました。

ライトの力と聖なる力で満ちあふれているティリオンは、またたく間にアッシュブリンガーを浄化させて聖剣に蘇らせ、そのパワーによってリッチキングを撃退して再びノースレンドへ追いやることに成功しました。

この地方で活動している聖騎士たちを束ねてリッチキングの討伐軍を編成し始めたティリオンに対して、降伏していたモグレインおよびデスナイトたちは、自分たちもそれに関与させてほしいと願い出ました。

その申し出が了承されると、彼らはまず自分たちの基地において未だにリッチキングの影響下にあるスコージの残党を駆逐し、それから部隊を再編成して、ノースレンドへ遠征する準備を整えました。

最終的にはアライアンスのリーダーのヴァリアン・リンとホードのリーダーのヴォルジンにも合流が認められ、名前を「エボンブレードの騎士団」と改めたデスナイトの部隊は、リッチキングに反逆する勢力となりました。

リッチキングの討伐が果たされ、ボルヴァー・フォードラゴンが3代目のリッチキングに就いてしばらく経った後に、悪魔の軍団の襲来というアゼロス空前の危機が訪れました。

その危機に際してアゼロス中の英雄たちが集結する中で、スコージ軍を司るリッチキングのボルヴァーは、デスナイトたちの装備の強化に携わり、さらに4名のデスナイトの司令官に四騎士（The Four Horsemen）を結成させて、反撃態勢を整えました。

かつてケルスザードが従えていたデスナイトの四騎士とは全く性質が異なる、ボルヴァー時代のリッチキングに仕える新生の四騎士として、デスロード・ナズグリム、トーラス・トロルベイン、審問官ホワイトメイン、そしてエボンブレードの騎士団長ダリオン・モグレインが名を連ねました。