ベン・ブロード(Ben Brode)氏は、ハースストーンの開発チーム「Team 5」の初期メンバーの一人であり、2018年4月20日までハースストーンの制作およびプロモーションに携わった人物です。
2003年にブリザードへ入社した後に、「World of Warcraft: トレーディング・カードゲーム」のデザイナー職を経て、「World of Warcraft」の制作にも関与しながら、2008年末に創設されたハースストーンの開発チームに所属しました。
ユニークな性格を有する同氏は、ハースストーンのゲーム・デザイナーとして活動する一方で、メディアやコミュニティとの対応を重ねるごとに高い人気を獲得し続けました。
近年ではゲーム・ディレクターとして、主にハースストーンのプロモーション活動や開発陣の統括に従事しました。
「現在も通う」と本人が言及するピザ店「Gino’s Pizza」のアルバイト店員だった青年は、当時「Warcraft 3」の開発部の夜勤職員だった人物と知り合うことで、ブリザード社と結び付きました。
その縁から、彼は「夜9時から明け方4時まで」働く夜勤のゲームのテスト要員として、ブリザードへの入社を果たします。
やがて昼勤に転属した青年ベン・ブロード氏は、テスト活動の傍ら(かたわら)でゲーム内のコンテンツも実際に制作するようになり、ゲーム・デザインを習熟していきました。
その経験と、アナログ版トレーディング・カードゲーム「World of Warcraft: TCG」の制作チームに所属したことが、現在までのハースストーンにおけるベン・ブロード氏の実務面での特性を形成しました。
ベン・ブロード氏の熱意ある働きに気を留めていた、開発チーム「Team 5」の初代リーダーのロブ・パルド(Rob Pardo)氏の勧誘を受けると、ベン・ブロード氏は喜んでそのチームに参入しました。
2008年後期にブリザード社のゲームの開発チームとして創立された「Team 5」は、「World of Warcraft: TCG」の後継タイトルとなるデジタル・カードゲーム「ハースストーン」のリリースを目指す部門になりました。
「小規模ながらも他と同等に高い質のゲームを作る」がコンセプトとされた「Team 5」は、わずか15人だけで構成されていて、ベン・ブロード氏はそのオリジナル・メンバーの1人として名を連ねていました。
あるとき他のチームが開発するゲームの締め切りが迫り、大半の「Team 5」のメンバーがそのヘルプに駆り出されると、残されたベン・ブロード氏とエリック・ドッズ(Eric Dodds)氏の両ゲーム・デザイナーがゲームのデザインに集中することになり、今日のハースストーンを形成する中核的な要素の数々がここで編み出されました。
約5年の歳月をかけてオープン・ベータの実施、および正式版のリリースまでに至ったハースストーンは、その後もベン・ブロードとエリック・ドッズの両氏が主にゲーム・デザインを担当したゲームでした。
現在のマイク・ドネ(Mike Donais)氏やピーター・ウェイレン(Peter Whalen)氏らが主導している、カードの修正やゲーム・バランスの調整、およびその趣旨の説明等は、当時はこの2人に任されていたのです。
- Hearthstone Express(2014/02/08)
ニュース – HearthPwn 開発陣インタビュー - Hearthstone Express(2014/06/08)
カードの説明文における「ランダム」の記述について - Hearthstone Read2Win(2014/07/31)
Naxx Developer Interview (開発者インタビュー要約) - Nemukejp(2014/08/19)
ゲームデザイナー、ベン・ブロード氏のカードデザイン等に関するコメント和訳
ハースストーンが記録的なヒットを飛ばし、それに伴って「Team 5」の規模も拡大されていく過程で、ベン・ブロード氏が果たす役割も徐々に変化していくことになりました。
類(たぐい)まれなる特殊な才能を有していた同氏は、ゲーム・デザイン以外の役割においても魅力を発揮し、ハースストーンの発展にとってかけがえのない存在として認知されるようになるのです。