「World of Warcraft」におけるシンドラゴサは、大型ダンジョン「アイスクラウン城砦」の第11ボスとなる敵対キャラクターです。
リッチキングが率いるスコージ軍の中では最強クラスのアンデッドの1体であり、リッチキングの側近および飛行騎乗用のドラゴンです。
「World of Warcraft」の拡張セット「Wrath of the Lich King」の末期を象徴するキャラクターの1体でもあり、同セットの最後の大型ダンジョン「アイスクラウン城砦」が発表された際には、リッチキングと共に登場することが大々的に予告されたボス・エンカウンターです。
生前のシンドラゴサは、ブルー・ドラゴンフライトに属するドラゴン種族でした。
ブルー・ドラゴンフライトは、アゼロス大陸を創造したタイタン種族から力を分け与えられ、アゼロスにおける魔術と、神秘なアーケイン・エネルギーの管理を任されたドラゴンの集団です。
マリゴスの寵愛(ちょうあい)を受けて彼の伴侶となったシンドラゴサは、リーダーであるマリゴスに次ぐ存在として、ブルー・ドラゴンたちを率いました。
太古の時代に、悪魔の軍団「バーニング・リージョン」が最初にアゼロスへ侵攻してきたときのことです。
この一大事変のさなかに、ブラック・ドラゴンフライトのリーダーであるネルサリオン(Neltharion)が狂気に陥ってしまいました。
アゼロスの大地と地底の監視を任されていたブラック・ドラゴンのネルサリオンは、地底に封印されていた旧神たちの影響をまともに受けて、旧神の配下のデスウィングに変貌してしまい、アゼロス大陸の崩壊をもくろむ存在になりました。
アゼロスの守護者である他のドラゴンフライトの排除に乗り出したデスウィングの裏切り行為を、真っ先に責め立てて対向したのが、ブルー・ドラゴンのリーダーであるマリゴスでした。
デスウィングが旧神の恐るべき力に侵蝕されていたことを知らなかったブルー・ドラゴンたちは、デスウィングが攻撃を振るうごとに大打撃を受け、またたく間に壊滅状態に陥ったのです。
デスウィングが発した爆風によって、討伐に参加したシンドラゴサも致命傷を受けて、彼女は遠い最北の地ノースレンドまで吹き飛ばされました。
吹雪舞うアイスクラウンの雪原において、視力を失うほどに瀕死の状態となったシンドラゴサは、言葉にならない咆哮(ほうこう)を寒空に向けてあげることしかできなくなり、凍てつく大地の上で自身の命運を悟りました。
ゆっくりと死に向かう間に、彼女はとうとう正気を保てなくなり、最期にはあらゆるものへ憎しみを抱くようになってしまいました。
ネルサリオンを憎み、悪魔の軍団を憎み、そしてマリゴスをも憎むようになり、アゼロス全土の生物に対して復讐を望むような精神状態に成り果てて、シンドラゴサはノースレンド大陸で息を引き取り、朽ち果てました。
それから数千年後に、そのノースレンド大陸において、息絶えた生物を蘇らせては自軍のアンデッドの兵と化していた、リッチキングが死霊の王として君臨していました。
リッチキングは、ノースレンドで死骸(しがい)となっていたシンドラゴサをアンデッド・ドラゴンとして再生し、自身の側近に据えるとともに、スコージに属するアンデッド・ドラゴンの軍団の長に任命しました。
ブルー・ドラゴンのリーダー格であったシンドラゴサは、スコージとなってからも凄まじく高い戦闘力を誇り、奴隷化された軍をプレイヤーたちが救出した際にも、その軍を一吹きで皆殺しにした挙句にプレイヤーたちを危機一髪の窮地に追い込みました。
まともに戦っては勝ち目がないシンドラゴサがいる巣を目前にして、アイスクラウン城砦においてプレイヤーたちは、救出したグリーン・ドラゴンのヴァリスリア・ドリームウォーカー(Valithria Dreamwalker)からクリスタルを授かります。
「これは、ドラゴンの墓場から抽出したエネルギーが込められたライフ・クリスタルです――シンドラゴサが弱ったときに、このクリスタルの力を解き放つことで、彼女を支配している邪悪な精気を抜き去ることができるでしょう」
指示通りにして見事にシンドラゴサを撃破した冒険者たちは、彼女の精気を含んだライフ・クリスタルを持参して、ブルー・ドラゴンフライトの現リーダーであるカレクゴス(Kalecgos)に報告します。
それを受け取ったカレクゴスは、ため息混じりに、以下のように応えました。
「多くの苦痛があり、多くの不必要な破壊があったんだ――私の同胞たちは、とても健常であるとは言えない時期を過ごしてきた」
「だが、勇敢な冒険者たちよ、君たちの尽力には感謝している――この、未だに闇を帯びている彼女の高貴な魂は、ようやく安らかに眠ることができるだろう」
「ゆっくりお休み、シンドラゴサ――君は、私たちのもとに還ってきたんだ…」
「World of Warcraft」における「アイスクラウン城砦」のボスとしてのシンドラゴサは、定期的にグループ内の数名を氷漬けにしてきます。
その能力が「凍てつく玉座の騎士団」のミッション・ボスとしてのシンドラゴサの能力にも反映され、「凍れる勇者」を召喚するレジェンド・ミニオンとしてのシンドラゴサの能力にも反映されています。
「凍てつく玉座の騎士団」のミッションにおけるシンドラゴサ戦で、プレイヤーがマリゴスを召喚すると、かつての伴侶に向かってシンドラゴサは、「マリゴス…あなたを愛してた!」というセリフを発します。
「凍てつく玉座の騎士団」のレジェンド
<目次>
中立 | ダークフォールンとブラッドプリンス評議会 |
ケレセス公爵 | |
タルダラム公爵 | |
ヴァラナール公爵 | |
中立 | アーファス |
ドルイド | ハドロノックス |
ハンター | ピュートリサイド教授 |
メイジ | シンドラゴサ ―― マリゴスに寵愛された青竜と死竜の女王 |
パラディン | ボルヴァー・フォードラゴン ―― 不屈と犠牲の精神で身を捧げた黒変の聖騎士 |
ボルヴァー・ドラゴンフレイム | |
プリースト | ベネディクトゥス大司教 |
ローグ | リリアン・ヴォス |
シャーマン | ムウラビ |
ウォーロック | ブラッドクイーン・ラナセル |
ウォリアー | ドグサレガオ |
中立 | リッチキング ―― 氷牢より腐敗を司る死霊の総帥 |
アーサス・メネシル ―― 暗黒騎士の王へいざなわれた聖騎士の王子 | |
特別編 | エボンブレードの騎士団 |
デスロード・ナズグリム | |
トーラス・トロルベイン | |
審問官ホワイトメイン | |
ダリオン・モグレイン ―― 死をも厭わぬ大胆不敵の聖剣の担い手 |