(Inquisitor Whitemane)
ローデロン地方の北方へ旅行で訪れたホワイトメイン家の一同は、そこで突如として蔓延(まんえん)したアンデッドの疫病に冒されました。
家族の中でただ一人、奇跡的にその難から逃れたサリー・ホワイトメイン(Sally Whitemane)は、これはアンデッドのスコージ軍が兵力を増やすために拡散した疫病であることを教えらました。
さらに、疫病にかかった自分以外の家族全員が、邪悪なアンデッドに成り果ててスコージ軍に属するようになることを知ります。
サリーは大きな罪悪感と、悲しみと、怒りに満たされながらも、倒れている家族全員の身体を跡形(あとかた)もなく粉砕せねばなりませんでした。
思春期に壮絶な悲劇を体験したサリーは、もちろん生涯にわたってアンデッドに恨みを抱くようになります。
同じようにしてアンデッドを憎むようになった人々が結成した、アンデッドの根絶を掲げる宗教的な軍事団体スカーレット・クルセイド(Scarlet Crusade)に、彼女が入隊することは自然の成り行きでした。
そして、懸命に努力してハイプリーストの知識を習得し、やがてはアンデッドのスコージやフォーセイクンからも恐れられる、スカーレット・クルセイドの審問官(Inquisitor)となるまでに至りました。
スカーレット・クルセイドの上位階級である審問官たちは、敵対勢力の捕虜を無慈悲なまでに拷問する権限を与えられており、日常的に憎悪の感情にとらわれている審問官サリー・ホワイトメインは、拷問の実施を通してサディスティックな性格をより一層強めていきました。
プリーストとしても一流である彼女は、聖なる力で不死の生物を容易に撃破するだけでなく、強大な治癒と蘇生能力でもってスカーレット・クルセイドの勢力を維持し、いつしか同教団の本拠地であるスカーレット修道院(Scarlet Monastery)を統治する存在になりました。
そのスカーレット・クルセイドに裏切られたアンデッドのリリアン・ヴォスは、同教団に復讐を誓います。
サリー・ホワイトメインを保護する聖なる力を打ち破るルーン・ブレードを入手したリリアンは、修道院に潜入し、その剣で審問官を刺し貫いたのでした。
リッチキングとなったボルヴァー・フォードラゴンによって蘇生されたサリー・ホワイトメインは、3人目のデスナイトの四騎士として任命されました。
彼女はアンデッドと化したことによって、皮肉にもアンデッドを偏狭的に憎む狂気を喪失しましたが、生前に蓄えた精神力は失われることがなく、彼女の聖なる力は高い強度そのままにアンホーリーの力に変換されました。
「凍てつく玉座の騎士団」のレジェンド
<目次>
中立 | ダークフォールンとブラッドプリンス評議会 |
ケレセス公爵 | |
タルダラム公爵 | |
ヴァラナール公爵 | |
中立 | アーファス |
ドルイド | ハドロノックス |
ハンター | ピュートリサイド教授 |
メイジ | シンドラゴサ ―― マリゴスに寵愛された青竜と死竜の女王 |
パラディン | ボルヴァー・フォードラゴン ―― 不屈と犠牲の精神で身を捧げた黒変の聖騎士 |
ボルヴァー・ドラゴンフレイム | |
プリースト | ベネディクトゥス大司教 |
ローグ | リリアン・ヴォス |
シャーマン | ムウラビ |
ウォーロック | ブラッドクイーン・ラナセル |
ウォリアー | ドグサレガオ |
中立 | リッチキング ―― 氷牢より腐敗を司る死霊の総帥 |
アーサス・メネシル ―― 暗黒騎士の王へいざなわれた聖騎士の王子 | |
特別編 | エボンブレードの騎士団 |
デスロード・ナズグリム | |
トーラス・トロルベイン | |
審問官ホワイトメイン | |
ダリオン・モグレイン ―― 死をも厭わぬ大胆不敵の聖剣の担い手 |